栄春彦裁判長は「基地では十分な石綿の安全対策が取られておらず、責任は国が負うべきだ」と述べ、国に7684万円の賠償を命じた。
在日米軍の現役従業員が提訴した石綿被害訴訟の判決は初めて。対間さんは在職中の2007年5月に提訴したが、10日後に死亡。妻美枝子さん(53)らが訴訟を引き継いでいた。
判決などによると、対間さんは1977年8月~95年2月、横須賀基地でエアコン修理などに従事。石綿を含む断熱材などを扱ったが、国と米海軍は十分な粉じん対策を講じず、06年、悪性胸膜中皮腫と診断された。対間さんは同年8月に労災認定を受け、米海軍も07年3月に公傷と認めた。